
クラシックのすゝめ 其の六
皆さん、お久しぶりです。 25 Rookie AD Hatakeyamaです!
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前回は、「クラシックのすゝめ 其の五」にて、ピアノの詩人・ショパンをご紹介させていただきました。 反田恭平さんやかてぃんさんが切り拓いた、現代のショパン熱を感じていただけたでしょうか?(笑)
さて、今回はついに、時代を現代へと進めます。 ご紹介するのは、もはや説明不要。
世界中から愛される「現代日本の至宝」、久石譲さんです!
6曲目は、映画『魔女の宅急便』より『海の見える街』です!
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1,心を旅させる旋律:海の見える街

久石さんの音楽は、聴いた瞬間にその物語の風景が目の前に広がる不思議な力を持っています。一見シンプルに聴こえますが、実は緻密に計算された音の魔法が隠されているんです。
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この曲を聴くと、ほうきに乗って空を飛ぶ少女と、キラキラと輝く海、そして異国の街並みが鮮明に浮かんできますよね。
この物語の舞台は、スウェーデンのストックホルムや、ゴトランド島のヴィスビューといった北欧の街並みがモデルだと言われています。 北欧の音楽には、透き通った空気感の中に、どこか寂寥感や素朴な哀愁が漂うものが多いのですが、『海の見える街』のメロディーラインは、まさにこの北欧的な空気感と見事にシンクロしています。
ピッツィカート(弦を指ではじく奏法)のリズムが、キキのドキドキするような期待感を表現し、そして中盤に訪れるオーボエのソロが、その風景に深い情緒を与えます。 あの、少し鼻にかかったような、切なくも温かい音色…。 華やかなストリングスの後にふっと現れるオーボエの響きは、あまりにノスタルジックで、聴くたびに胸の奥がキュッとなります。まるで、新しい街での生活に期待を膨らませつつも、ふと故郷を思い出すキキの心情をそのまま音にしたかのようです。
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【余談】なぜオーボエやファゴットの音は、こんなにもノスタルジックに聞こえるのでしょうか。 一説には、これらの「ダブルリード楽器」が持つ独特の倍音成分が、人間の肉声や、あるいは古くから伝わる民族楽器の響きに近いからだと言われています。 洗練されすぎていない、どこか素朴さを感じさせる音色だからこそ、私たちは無意識に郷愁を掻き立てられてしまうのかもしれませんね。
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【悲しい余談】 実は私、この曲が好きすぎて、一時期スマホの目覚ましアラームに設定していたんですが、これは大きな間違いでした。 今ではこの曲が流れた瞬間に、「まだ寝たいのに…」という絶望感と共にはね起きるという条件反射が出来上がってしまいました。
あんなに大好きだった曲なのに、最近は聴くだけで少し胃が痛くなってきます(笑)。
皆さんは、本当に好きな曲をアラームにするのだけは、絶対にやめておいた方がいいですよ!
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2.現代日本の至宝:久石譲

さて、本楽曲を手掛けた久石譲さんは、日本が世界に誇る作曲家・指揮者です。 映画音楽の巨匠としてのイメージが強いですが、その音楽性は極めて深く、多面的です。
久石さんの音楽の根幹には「ミニマル・ミュージック」という現代音楽の手法があります。 これは、短い旋律を繰り返しながら少しずつ変化させていく手法ですが、久石さんはそこに、日本人の心に直接響くような、圧倒的に美しい「メロディー」を融合させました。 これこそが、彼が現代日本の至宝と呼ばれる所以です。
かつてショパンがピアノの魂を解放し、サン=サーンスが情熱を物語に封じ込めたように、久石さんは風景や記憶を音へと変換する天才です。 彼の楽譜は一見すると非常に洗練されていて無駄がありませんが、その裏側には、これまでこのブログで紹介してきた数々の巨匠たちと同様の、緻密な計算と飽くなき探究心が隠されているのです。
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3.引き継がれる演奏 その6

では、最後に私一推しの演奏をご紹介して終わりにします! ずばり、ライブ映像作品『久石譲 in 武道館 〜宮崎アニメと共に歩んだ25年間〜』になります!
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これは2008年に開催された伝説のコンサートなのですが、スケールがとにかく規格外! 総勢200人のオーケストラに加え、なんと800人の大合唱団、さらにはマーチングバンドまで加わった、総勢1200人による超巨大編成での演奏なんです。
この武道館ライブ版の『海の見える街』は、まさに別格です。 1200人が一斉に解き放つ音の圧力は、もはや音楽を超えた現象。 久石さんがピアノを弾き、指揮をし、汗を流しながら音を紡ぎ出す姿には、音楽を愛するすべての人を感動させるパワーがあります。アラームで嫌いになりかけていた私の心も、この演奏を聴くと一瞬で浄化されます(笑)。
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【またまた余談】 これまでの記事(其の三、其の五)でご紹介した「かてぃん(角野隼斗)」さんも、久石さんの楽曲を独自の感性でカバーされており、そこでも「楽譜に書かれた美しさをどう生かすか」という、久石さんの魂が引き継がれているのを感じます。
ちなみにかてぃんさんは、「海の見える街」を、右手は鍵盤ハーモニカ、左手はグランドピアノで演奏するという、これまた超絶技巧をサラッとやってのけています(笑)
気になった方は是非!この武道館の映像を一度観てみてくださいね!
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今回もつい熱が入り、想像以上の文量になってしまいました(笑)。 続きは「クラシックのすゝめ 其の七」にて、改めてたっぷり語らせていただきます。
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次回は「ロックを叫んだ赤毛の司祭 ヴィヴァルディ」の予定です。 それでは皆さん。またお会いする日までお元気で。
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AD Hatakeyama














































