
クラシックのすゝめ 其の二

皆さん、お久しぶりです。 25 Rookie SL Hatakeyamaです!
前回は、「クラシックのすゝめ 其の一」にて、『ピアノ協奏曲第2番』をご紹介させていただきました。
皆さんは聴いていただけたでしょうか?
30分超えの長〜い曲ではありますが、私の前回のBlogをお供に聴いていただけたら楽しめること間違いなしですので是非、聞いてみてくださいね!
さて、今回は、早速次の曲の紹介に入りたいと思います!
2曲目は、ヴァイオリン最高難度曲とも評されるパガニーニ作曲の『カプリース第24番』です!
1,カプリース第24番
まずは曲の説明です。
この曲が収録されているのは、『24の奇想曲(カプリース)』という、ヴァイオリンの独奏曲が24曲収められた、いわば“アルバム”で、本楽曲はその中の第24番。まさに大トリを飾る曲なのです。
カプリースの中でも一番有名なこの曲は、「主題」と「変奏」の二つに分かれています。まず最初に、この曲のメインメロディーである「主題」が提示されますが、実はわずか16小節しかありません。そのあとは、この主題を様々な奏法でアレンジした11の「変奏」と「フィナーレ」へと移っていきます。
「いやいや、ずっと同じメロディーじゃ飽きるでしょ…」と思われたそこのあなた!
実はヴァイオリンの奏法はとにかく変幻自在。普通に弾くだけでなく、弓の押し付け方や弦を押さえる位置、さらには弓を使わず指で弦をはじくピチカートなど…とにかく音色が豊かで、言われなければ同じメロディーだと気づかない人もいるほどです笑
しかし、この曲の真価はそこではありません。 というのも、各変奏で求められる技術は、どれもが最難関クラス! つまり、すべての奏法をマスターしたトップレベルのヴァイオリニストでなければ、そもそもこの曲に挑戦することすら許されないのです!
2.悪魔に魂を売った男:パガニーニ
さて、本楽曲を作ったのは、イタリアの作曲家、パガニーニ。
パガニーニは幼い頃から卓越した演奏技術を持っており、13歳の頃には師から教わることは何もなくなり、独学で作曲を始めたといいます。 そのあまりの超絶技巧から、「パガニーニは悪魔に魂を売り渡した」と噂されたほど。そのため、彼の演奏会では本気で十字を切る聴衆や、本当にパガニーニの足が地に着いているか確かめるため、彼の足元ばかり見る人もいたといいます(笑)。
パガニーニの半生を描いた映画『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』では、彼の演奏会で興奮のあまり気絶する女性たちの姿も描かれています。なんだか、世界的スーパースターのライブみたいですね(笑)。
そんな彼の音楽は実に多くの作曲家をうならせ、前回紹介したラフマニノフをはじめ、ショパンやリストなど、名だたる巨匠たちがパガニーニの曲を引用し、『パガニーニの主題による変奏曲』といったタイトルで新たな名曲を生み出しています。
ちなみに、リスト作曲の超有名曲『ラ・カンパネラ』も、元はパガニーニが作曲したヴァイオリン協奏曲のメロディーをピアノ用に編曲したものなんですよ!
【余談】彼がなぜそこまでの演奏技術に達したのか。その秘密は、彼の身体的特徴にあったといわれています。実はパガニーニは、指が異常に長く、関節が柔らかくなるマルファン症候群だったという説があるのです。 そして、その規格外の指を最大限活かせるよう自身で作曲した結果、常人には到底再現不可能な、悪魔的な難易度の楽曲が生まれた、というわけです。
3.引き継がれる演奏 その2
では、最後に私一推しの演奏をご紹介して終わりにします!
ずばり、『David Garrett – Caprice No. 24』になります!
デイヴィッド・ギャレットはドイツ出身のヴァイオリニストで、モデルも兼業しており超イケおじ♡
ただ、ヴァイオリンの腕前は尋常ではなく、あの葉加瀬太郎さんが「世界一うまい」と評したほど。 実際、パガニーニの楽曲を演奏させると彼の右に出る者はいないでしょう。こんなに繊細かつ正確に、そして情熱的にこの曲を乗りこなす演奏は、彼をおいて他にはないと私は思います(笑)。
【またまた余談】先ほどご紹介した映画『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』で、なんとギャレットはパガニーニ本人役で主演を務めています!(伏線回収) たしかに、「魔術師」と呼ばれたパガニーニを演じきれるのは、現代で同じように人々を熱狂させる彼しかいなかったのかもしれませんね(笑)。
気になった方は是非!一度彼の演奏を聞いてみてくださいね!
今回もつい熱が入り、想像以上の文量になってしまいました(笑)。
続きは「クラシックのすゝめ 其の三」にて、改めてたっぷり語らせていただきます。
次回は「音の魔法使い カプスーチン」の予定です。
それでは皆さん。またお会いする日までお元気で。
SL Hatakeyama