
クラシックのすゝめ 其の三
皆さん、お久しぶりです。 25 Rookie SL Hatakeyamaです!
前回は、「クラシックのすゝめ 其の二」にて、『カプリース第24番』をご紹介させていただきました。
皆さんは聴いていただけたでしょうか?
私は、仕事の合間のちょっと疲れたなぁーという時に本楽曲を聞いて気持ちを鼓舞しております笑
リフレッシュして元気を出したいときは皆さん是非!聞いてみてください!
さて、今回は、予告通り「音の魔法使い」の紹介に入りたいと思います!
3曲目は、ニコライ・カプスーチン作曲の『トッカティーナ Op.36』です!
1,トッカティーナ Op.36

まずは曲の説明です。
皆さんは「クラシック」と聞くと、やっぱり優雅で、荘厳で、ちょっとお堅い…そんなイメージをお持ちではないですか? 今回ご紹介するカプスーチンは、そんなイメージを根底から覆す作曲家なのですが、本楽曲『トッカティーナ』は、その中でも特に「異質」な一曲です!
「トッカティーナ」とは、鍵盤を速く叩くように弾く「トッカータ」という形式の、小規模な曲という意味です。 その名の通り、この曲はたった2分半ほどの短い曲なのですが…その中身がとんでもない!!
聴いてみると、まず耳に飛び込んでくるのは「ダダダダダダッ!」という、マシンガンのようなピアノの高速同音連打!
「え、これピアノだよね? 打楽器じゃなくて?」と耳を疑うこと間違いなしです(笑)。
さらに、左手は鍵盤の上を縦横無尽に飛び回り、ファンキーなジャズ特有の「ブギウギ」のベースラインを刻み続けます。 クラシックの緻密な楽譜で、ジャズのノリノリなリズムと超絶技巧を表現する。これがカプスーチンの真骨頂なのですが、この曲はその異質さが際立っています。
【余談】私がこの曲で一番好きな部分は、実はジャジーなマシンガン地帯ではありません。
この曲の中盤部では、ハイテンポな曲調から一転、非常に壮大でダイナミックなテーマがひょっこり顔を出します。
この部分のメロディーが、私には「サスペンス刑事ドラマのオープニング」にしか聞こえず、いつもニヤニヤしてしまいます(笑)
気になった方は是非、本記事下部のリンクから本演奏を聞いてみてください!
2.音の魔法使い:カプスーチン

さて、本楽曲を作ったのは、ウクライナ(旧ソ連)の作曲家、ニコライ・カプスーチン。
彼は幼少期からクラシックピアノを学びつつも、同時にジャズの魅力にどっぷりと浸かっていきました。 普通ならどちらかの道に進みそうなものですが、彼はなんと「クラシックの作曲技法で、ジャズのイディオム(スタイル)を楽譜に落とし込む」という、前代未聞のスタイルを確立してしまったのです!
「いやいや、ジャズって即興で弾くのが醍醐味でしょ?」と思われたそこのあなた!
大正解!その通りです。
しかしカプスーチンは、その「即興に聞こえるスリリングなフレーズ」を、すべて計算し尽くして「楽譜」に書き起こしました。
つまり、彼の曲は、一音たりともアドリブが許されない、ガチガチのクラシック作品なのです(笑)。 それでいて、聴いている側には最高にクールなジャズセッションにしか聞こえない…まさに「音の魔法使い」の異名にふさわしい作曲家ですね!
【またまた余談】彼は作曲家であると同時に、とんでもない腕前のジャズピアニストでもありました。彼自身の演奏も数多く残されており、そのスウィング感と超絶技巧は「本当に人間が弾いているのか?」と疑うレベルです。興味のある方は、ぜひ彼自身の演奏も探してみてください!
3.引き継がれる演奏 その3

では、最後に私一推しの演奏をご紹介して終わりにします!
ずばり、『かてぃん – トッカティーナ』になります!
かてぃん(角野隼斗)さんは、東大卒でありながらショパンコンクールで入賞し、さらには「Cateen」としてYouTubeでも大活躍されている、まさにクラシック界の革命児!
かてぃんさんの『きらきら星変奏曲』や『人生のメリーゴーランド』、『海の見える町』はもう、何回聞いたのかわかりません!
彼のすごいところは、クラシック、ジャズ、ポップスといったジャンルの壁をいとも簡単に飛び越えてしまう、その抜群の音楽センスです。
カプスーチンの曲は、楽譜通りに弾くだけだと「ジャズっぽいクラシック」で終わってしまいがちなのですが…。 かてぃんさんの魔法にかかると、あの複雑な楽譜が「生きたグルーヴ」となって溢れ出してくるんです!
特にこの『トッカティーナ』で求められる超人的なリズム感と、マシンガンのような連打を軽々と弾きこなすテクニックは圧巻の一言。
カプスーチンの「楽譜に書かれたジャズ」の魅力を、これ以上なく引き出してくれるピアニストだと私は思います!
気になった方は是非!一度彼の演奏を聞いてみてくださいね!
今回もつい熱が入り、想像以上の文量になってしまいました(笑)。
続きは「クラシックのすゝめ 其の四」にて、改めてたっぷり語らせていただきます。
次回は「万能の天才 サン・サーンス」の予定です。
それでは皆さん。またお会いする日までお元気で。
















































